地球温暖化対策を考える  
COP15まであと半年
温室効果ガス排出削減目標
日本はどうする!


 二〇一三年以降の地球温暖化対策の国際協定づくりをめざす、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP15)まで、あと半年になりました。
 温室効果ガスの削減は、地球温暖化を防止する上で決定的に重要だと言われています。日本政府は、二〇二〇年までの温室効果 ガス排出削減目標(中期目標)を六月一〇日にも発表するとしています。

 しかし、政府は中期目標の選択肢を一九九〇年比で「四%増」から「二五%減」までの六案を示していますが、眼目を温暖化問題の原点ではなく、産業界の負担軽減・国際競争力確保においています。
 六月五日に麻生首相も出席して開かれた関係閣僚会合(官房長官・外務相・環境相・経済産業相・財務相)でも、環境相が「一五%減〜二五%減」を求めたのに対し、経産相らは「理想論に走って、途方もない数字を国民に押し付けるのは適当でない。」などの意見が出され、基準年を二〇〇五年にすることだけが合意されたと伝えられています。

 一九九〇年より温室効果ガスの排出量が増加している二〇〇五年を基準にすれば、削減数値が大きく見えるからでしょうか。
 経団連は、「四%増」を支持しています。麻生首相は、「七%減(二〇〇五年比一四%減)」で調整の意向とも伝えられますが、一九九七年の京都議定書で課せられた二〇一二年までの目標(一九九〇年比六%減)と一ポイントしか違いません。先日、日本環境学会は声明を発表し、「二五%以下の削減目標は、科学的判断からはあり得ない」「(政府の検討は)気候変動・地球温暖化の被害を最低限に抑えるという判断基準が軽視されている」と批判しました。

 ドイツが四〇%減、イギリス三四%減、スウェーデン三〇%減など主要先進国が地球温暖化防止のために積極的な目標を掲げているもとで、「公平性の確保」「実効性の確保」等と言って、日本の目標が小さくなるような指標をもちだしたり、アメリカや中国、インドの参加など、削減目標を低くする理由付けに必死ですが、それでは国際交渉で通 用しないでしょう。

 閣議決定した「二〇五〇年までに六〇〜八〇%削減」という長期目標への道筋にあった中期目標、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が求める「二五〜四〇%削減」に応える中期目標の設定が必要ではないでしょうか。
 そして、わが国の温室効果ガス排出量の七割を発電所と大工場が占める現状からも、産業界にわが国の削減目標に見合った削減目標の明示を義務付けることや、エネルギー政策を転換し、再生可能エネルギーの普及を飛躍的に進めることなど、地球温暖化を防止するという原点を見失わない対策が緊急に求められているのではないでしょうか。
 私たち一人ひとりも、自分にできる対策を真剣に考え、着実に実行しようではありませんか。


国民本位の行政をめざす農林・京都の会 第36号より
 

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