緊急講演会「国際競争力とTPP、大震災」 3月17日
 
緊急講演会「国際競争力とTPP、大震災」に90人参加
    ―友寄英隆氏の講演より―

 
 京都革新懇主催の講演会「国際競争力とTPP」が、17日京都市内で行われ90人が参加しました。

 主催者あいさつで森川明代表世話人は「政府が東日本大震災対策本部を立ち上げたのは発生後4日目だった。原発事故も東電まかせになっている。本題に加えてこのお話もしていただく。今こそ命・安全を大切にする政治が求められている」と述べました。



 大震災・原発事故―経済政策のパラダイム転換が迫られている

 
 講師の友寄英隆氏(元月刊「経済」編集長)は冒頭に「大震災と原発事故の衝撃で日本の政治・経済・社会の根本的再検討―経済政策のパラダイム転換―が迫られている」と訴えまし2.原発政策の根本的転換を前提とした経済政策。二つの自給率―食料自給率(農業再建)とエネルギー自給率(エネルギー再建)。3.「経済再建」を着実にすすめるための「経済計画」の構想。4.自然と人間の正常な循環の回復。これら転換の方向を示しました。
 
 「国際競争力」口実、賃下げ、法人税率引下げ、大学政策、TPP、根は同じ

 
 雇用・賃金の切り下げ、法人税率引き下げ、大学政策、TPPの根は同じ。最近の財界は「国際競争力」を口実にして、賃金・雇用の切実な要求に、まじめに応えようとしない。価格競争は為替レートしだいである。「通 貨の自主権」の確立こそ急務。大企業は巨大な利益をあげ「内部留保」を溜め込んでいる。日本の労働生産性は高い。「労働力の再生産」の安定こそ長期的な「国際競争力」の源である。雇用・賃金引下論には、まったく道理がない。管内閣は、財界の「国際競争力のために」という要求に応えて、2011年度予算に「法人税率5%引き下げ」を盛り込んだ。財界の主張はどこからみても道理がない。「国際競争力のための大学づくり」として、日本の科学・技術を支える大学や研究機関の「構造改革」が推進されてきた。利潤追求の手段とするための大学改革である。TPPは大資本のために国内産業を「国際競争力」を基準に選別 するもので「国際競争力論」の最も鋭い現れの一つ。
 
 「国際競争力」の変質、乱用
 
 「国際競争力」の本来の意味は「商品の競争力」「企業の競争力」であった。利潤追求の企業活動とは異なった目的、原理で機能している国家の諸制度を、一部の多国籍企業の利潤追求の活動に奉仕させる道具に改変することの国家間競争ということになってきている。国家間の制度、政策の面 から推進する「国際制度間競争」に変質させてきている。もはや「国際競争力」という概念の変質であり、乱用であるといわざるをえない。
 
 「経済共同体」消極的統合政策、積極的統合政策の二つの道
 
 「経済共同体」の二つの道、消極的統合政策、積極的統合政策、前者は米国が推進してきたTPP型、各国の経済規制や経済政策の違いを除去し、国境の障壁を撤廃して資本の競争条件を一致させる道。後者はEU型、国民国家単位 ではできない新たな共通の経済政策を、地域的に協力して実現する経済共同体、共通 の農業政策、共通の独占禁止政策、共通の環境政策、共通の知的財産権政策、共通 の通貨政策などを積極的に積み上げていく道である。
 以上を豊富な資料で講演いただきました。
 
 科学的方針、要求、政策は必ず歴史の中で貫かれる

 
 最後に友寄氏は「正しい科学的な方針、要求、政策は、一時的に変革の運動が後退しても必ず歴史の中で貫かれる。21世紀の日本は変革の時代を迎えている、草の根からの底力が試されている」と結びました。
 
 参加者からは、「震災のテーマ、本来のテーマとも大変参考になりました。私は農業をしていますが、TPP参加によって、日本の農業が壊滅的影響を受けることが一層鮮明になりました」などの感想が寄せられました。
 
   

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